上司と上手につきあう方法【完結】
とにかくそんなこんなの経緯があって、社内恋愛はご法度の雰囲気があり、もちろん真面目に付き合っているカップルもいることはいるんだけど、誰にも知られないよう、かなり気を使って付き合っているはずだ。
部長もそうだったなんて……。
さらに部長はただ淡々と、彼女とのことを説明してくれた。
二十歳で二つ年下の彼女と知り合ってから、10年付き合ってきた。
付き合い始めた当初は、遠い親戚ということもあり、周囲からは反対されていた。
が、部長は自分の意思でダブルベリーに入社し、認められたくて仕事を頑張った。
結果を出せば、許してもらえると思った、と。
そして気が付いたら仕事仕事で、彼女のことが二の次になっていた。
彼女とのことを周囲に認められたくて頑張っていたはずなのに、気が付いたら彼女から見放されていた。
あの夜――
私が朝陽と再会したあの日。
突然東京営業所にやってきた彼女に『お見合いをするから別れてほしい』と言われて、フラれたのだと――。