上司と上手につきあう方法【完結】

私は首を振って、それから笑顔を作った。


部長が私を頼りにしてくれるなら、なんでもいい。

負け惜しみでもなく、本気でそう思っていた。



彼女……いや、もう、元カノ、ってことになるんだろうか。

あのきれいな人の代わりが私になんか勤まるとはとうてい思えないけど、きっと部長のご両親って、死ぬほど厳しくて（だってあの部長のご両親だし）

たとえ嘘っこの恋人でも、連れて行かなくちゃ収集がつかないってことなんだと思う。



「――平尾」



声に顔を上げると、部長がなんだか死ぬほど強張った顔で私を見下ろしている。



「はい？」

「あの……俺の気持ちは、わかるな？」