上司と上手につきあう方法【完結】
「お薬、飲んできました?」
「ああ」
真面目な顔でうなずいた部長は、隣に座った私を見て、かすかに目を細める。
「なんだかいつもと雰囲気が違うな」
「えっ……や、やりすぎました?」
思わぬ指摘を受けて、頬が熱くなった。
もう二度と会うことはないとはいえ、部長の両親に会うのだ。
一応、清楚っぽい格好を、と思って、七分袖丈の小花柄のワンピースと、ヒール低めのパンプスを合わせてきた私。
髪だって、通常気合いを入れるときはぐるんぐるんと巻いているけれど、今回は丁寧にブローして、さらさらストレートにしている。
真似事なのに、気合い入れ過ぎって思われてる?
「あ、あの……」
「いや、いい」
「いい?」