上司と上手につきあう方法【完結】
なにがいいのかわからなくて、首を傾げると、
「――かわいい」
と、部長。
へ……?
なに、かわいい?
リアクションを取ることを忘れ、ぼーっと部長を見つめていると、彼はゴホンと咳を一つした後、体の前で腕を組み、目を閉じる。
「寝る……」
「――そ、そうですね。そのほうが安全ですねっ……」
そのほうが安全って!
アホですか、私!
もっと他に言いようもあったはずなのに、そんな貧相な単語しか出てこない自分の頭をポカポカと殴りたい。
可愛いって、それってどういう意味ですかって、むしろそっちを全力で問いただしたかったのに、まるで私の視線を感じるのかのように(そんなわけないけど)私から顔を逸らしたまま、部長はピクリとも動かなってしまった。