上司と上手につきあう方法【完結】

なにがいいのかわからなくて、首を傾げると、

「――かわいい」

と、部長。



へ……?

なに、かわいい?


リアクションを取ることを忘れ、ぼーっと部長を見つめていると、彼はゴホンと咳を一つした後、体の前で腕を組み、目を閉じる。



「寝る……」

「――そ、そうですね。そのほうが安全ですねっ……」



そのほうが安全って!

アホですか、私!


もっと他に言いようもあったはずなのに、そんな貧相な単語しか出てこない自分の頭をポカポカと殴りたい。


可愛いって、それってどういう意味ですかって、むしろそっちを全力で問いただしたかったのに、まるで私の視線を感じるのかのように(そんなわけないけど)私から顔を逸らしたまま、部長はピクリとも動かなってしまった。



< 280 / 361 >

この作品をシェア

pagetop