上司と上手につきあう方法【完結】
そしてどうにか余裕ぶって、
「満足した?」
からかうように尋ねると、部長は
「それなりに」
うなずき、そしてそのまま穏やかに目を閉じる。
ふふ……。なんだかいい雰囲気だ。
本当に私たち、恋人同士みたい――って!
だめーっ、私、もうさっそく勘違いしそうになってるし!
キリキリと唇をかみしめながら、精神を統一する。
勘違いしない、勘違いしない!
おまじないのように心の中でつぶやいた後、ゆっくり息を吐き、無言で私の肩におでこをくっつけてる部長を見下ろす。
優しい顔。まるでリラックスした家猫みたい。私に、安心して身を任せているように見える。
仕事が出来る人は、基本万能なんだろうか。こういう顔、とても演技には思えないよ……。