上司と上手につきあう方法【完結】

そしてどうにか余裕ぶって、

「満足した?」

からかうように尋ねると、部長は

「それなりに」

うなずき、そしてそのまま穏やかに目を閉じる。


ふふ……。なんだかいい雰囲気だ。

本当に私たち、恋人同士みたい――って!


だめーっ、私、もうさっそく勘違いしそうになってるし!


キリキリと唇をかみしめながら、精神を統一する。


勘違いしない、勘違いしない!


おまじないのように心の中でつぶやいた後、ゆっくり息を吐き、無言で私の肩におでこをくっつけてる部長を見下ろす。



優しい顔。まるでリラックスした家猫みたい。私に、安心して身を任せているように見える。

仕事が出来る人は、基本万能なんだろうか。こういう顔、とても演技には思えないよ……。


< 291 / 361 >

この作品をシェア

pagetop