上司と上手につきあう方法【完結】

一方、部長はよく職場で見るようなクールな顔で「はい」とか「いえ、大丈夫です」なんてやり取りをしたあと、携帯を切って、ため息をついた。



「――どうしたんですか?」

「ああ……」



なんだか暗い表情をしている彼に、不安が足元から押し寄せてきた。



「もしかして『来るな』とか、そういうこと言われちゃったんですか……?」



私、やっぱり歓迎されてないのかな。


だってさ、部長のご両親、部長が専務の娘さんと付き合ってたこと知ってたわけでしょ?
その次に連れてくるのが私って、見る前から100%見劣りするって思われて当然だし。



すると部長は

「――いや、そういう人たちじゃない」

と、少し、慌てたように首を振った。



「むしろ、その逆だ」

「え……?」



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