上司と上手につきあう方法【完結】
その逆、と重い雰囲気で言い切った部長の言葉を実感したのは、それからほんの十五分ほどあとのことだった――。
――――……
「あらあら、まぁまぁ!」
私と部長の姿を発見したらしい中年の女性が、白いシャツとカフェエプロン姿で、こじんまりとした白い壁のレストランから飛び出してくる。
白髪まじりの髪はさっぱりとしたショートカットで、ほぼすっぴんだけれど、姿勢がよくて立ち居振る舞いが美しい人だった。
「待ってたのよー! いらっしゃーい!」
手を振りながら駆け寄ってきた彼女は、私と部長を見比べて、嬉しそうに微笑む。
「お久しぶりです」
「もうっ、相変わらずササグさんは固いんだから!」
深々と頭を下げる部長の肩を、彼女はバシーッと叩いたあと、私を見てニッコリと微笑んだ。