上司と上手につきあう方法【完結】

その瞬間、似てるって思った。

例え彼女が母親ではなくても、間違いなく、部長と同じ血が流れている人だって。



「はじめまして、平尾美琴と申します」



ドキドキしながら、丁寧に頭を下げる。



「はじめまして。ササグの叔母の瑤子です。主人は厨房にいて手が離せないから、お迎えに出れなくて、ごめんなさいね」

「い、いえ、そんな……私こそ、お忙しいお時間にお邪魔して」

「来てほしいって言ったのはこっちだもの。気にしないで」



そう。部長にかけてきた電話の主は、お母様ではなく、今目の前にいる叔母様だった。

そしてここは、叔母様夫婦が経営しているというフレンチレストランだ。



「お昼はまだなんでしょう? ちゃんと席とってあるからね。さ、どうぞ」



叔母様は、私と部長をレストランの中へと案内してくれた。



< 295 / 361 >

この作品をシェア

pagetop