上司と上手につきあう方法【完結】
図星をつかれて言葉を失った。
けれど、部長は穏やかな顔をして、私を見つめる。
「やっぱり、美味しそうにものを食べるお前が好きだ」
「っ……!」
「前も思ったけどな」
「そっ……そう、ですか……それは、よかったです……あは……」
す、好きって!
部長、グラスワインで酔っぱらってるからって、好きって!!!!
膝の上に置いていたナプキンのふちを指でなぞりながらうつむいたけれど、頬に熱が集まるのを感じる。
もう……部長の馬鹿。
「――ササグさん、美琴さん、お料理はどうだった?」
気が付けばレストランのお客様は、私たちが最後だった。
テーブルの上を片づけながら、叔母様がにこやかに微笑みかけてくる。