上司と上手につきあう方法【完結】
「はい、とってもおいしかったです! ごちそうさまでした!」
力強く私が答えると同時に、部長は背筋を伸ばして、ぺこりと頭を下げた。
「急に帰ってきて、すみません」
「もう……本当に嬉しいのよ、私もあの人も」
叔母様はそう言って、いったん厨房のほうを振り返ると、改めて部長の顔をしっかりと見つめた。
「お仕事辞めて帰ってくるって聞いて……」
「はい。もう決めました」
叔母様の視線に一ミリも動じず、答える部長。
「ササグさん……」
「無理なんて、本当にしてないんです。大丈夫です。むしろ今は、どっちかっていうとホッとしてるんです」
そして部長は、叔母さまから私にその眼差しを向けて、穏やかに言葉を続けた。