上司と上手につきあう方法【完結】
この目に見覚えがあるって思った瞬間、思い出した。
そうだ。部長の部屋で見たんだ……って。
そして同時に、あれこれ、今思い出すべきことじゃないことも思い出してしまった。
部長の熱い体とか、そういうこと、全部。
心と体が反芻する。
わー、ダメダメ、今、ここでそういうこと思い出しちゃまずいでしょ!
必死に意識を逸らそうとしたのだけれど、うまく感情処理ができないまま、挙動不審で思わず部長から目を逸らしてしまった。ごめんなさい……。
「――我慢できなくなっちゃったのね?」
そこで、叔母様がクスッと笑いながら、私と部長の顔を見比べる。
我慢?
首を傾げると、部長がフッと息を抜くように笑い、うなずいた。
どうやらこの様子だと、二人の間で会話が成立しているらしい。
「そうです」