上司と上手につきあう方法【完結】

頬を伝う涙をテーブルの上に置いてあったナプキンで押さえると、部長が慌てたようにガタガタと椅子から立ち上がり、そのまま私の席に回り込んできて、肩を抱き寄せた。



「泣くな」



少し困ったように言う部長。同時に大きな手で後頭部をヨシヨシされて、また切なくて、苦しくなる。



「あらあら……」



叔母様がウフフと笑っていったん席を離れる。




「これ、使って?」

「すみませんっ……」



戻って来た彼女から濡れたおしぼりを貰って、ちょこっとだけ泣いた私。ペコペコ、頭を下げつつ立ち上がった。



「すみません、えっと……ちょっと、メイク直して来ます……」

「――こっちだ」



部長が私の手を引いて、レストランの奥にあるトイレに連れて行ってくれた。



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