上司と上手につきあう方法【完結】

からみつき、すすられて、かじられる。まるでむさぼるようなキス。


クラクラする……。



「ぶちょ、」



ドアの向こうに叔母様がいると思ったら、この状況はマズイとしか思えなくて、どうにか辞めさせなければ、なんて考えていたはずなのに。気が付いたら彼の首の後ろに腕を回していた。
(一応言い訳するけれど、そうでもしないと、そのまま床に座り込んでしまいそうだった)

私は私なりに必死だったのだ。

けれど私に向かって、部長は軽くため息をつく。



「また……」

「あっ、そうだった、あの、ササグ、さ……」

「部長、部長言われると、セクハラしてる気分になるな」

「え、そんなわけ、ないじゃないですかっ……」

「俺はもうすぐ部長じゃなくなるんだぞ?」



そして彼は、私のお尻の下に両手を入れると、軽々と抱き上げ、私を洗面台の上に座らせる。

ほんの少し目線が近くなったと思ったら、またキスされてしまった。





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