上司と上手につきあう方法【完結】
もちろん声は押し殺してるけど、そんな、駄目だよ、もうっ……!
っていうか、静かにさせたかったら、キスも、ハグも、やめてくれないと……!
部長の首に腕を回していた腕から力が抜けて、仕方なくそのまま部長のウエストに回す。
無駄な贅肉がひとかけらもない、部長の体。
滑らせた手のひらの下で、ビクッと彼の体が跳ねた。
「――あ、ヤバイ。やめておこう」
突然部長が早口でそう言い放ち、険しい表情で私から体を離す。
「はぁ……はぁ……へ……?」
ぽかんと見上げる私の乱れた髪をてぐしで整える部長は、至極真面目な顔で言い放った。
「こんなところでなんだが……」
「はぁ……」