上司と上手につきあう方法【完結】
口を開いたのは叔父様だった。
「ササグ……お前は極力俺たちに迷惑をかけないようにって気を使って生きてきたな。寂しくないって言ったら嘘だけどよ、男だもんな。お前はお前の信じる道を進んだらいい。俺はお前を信じてるから」
そして叔父様の隣に立っていた叔母様も、泣きだす寸前のような、笑顔を浮かべた。
「そんな申し訳なさそうにしないで。私たちに謝る必要なんかなにもないの。ササグさん、あなたはただ幸せになっていいのよ」
「――ありがとうございます。本当に……ありがとうございます」
部長の切れ長の瞳は、うっすらと涙が浮かんでいた。
だけど私はそれを、以前のように、泣き虫だとか、変だなとは1ミリも思わずに、むしろ、彼を抱きしめたい衝動に駆られていた。
――――……