上司と上手につきあう方法【完結】

そして、顔を上げ、べそべそと泣いている私の顔を至極真面目な表情で、まるで何かを確認するかのように見据えた後――。

ふっと優しく笑って、少し眩しそうに目を細め、私を見つめた。



「でもまぁ、今よりさらに幸せにしてくれるって言うんなら、それは要するにプロポーズということだな?」



要するにプロポーズ?
誰が、誰に?


彼は石化し硬直した私をよそに、チラチラッと周囲を見回した後(誰もいないのを確認したのか)それから顔を寄せ私の頬に軽く唇を押しつける。


そして「あー……宜しく頼む」と、低い声でささやき、どこか恥ずかしそうに、また、うつむいた。


もしかして……ヨロシクされるのって、もしかして、私……?



その瞬間、スポーンと、何かが私の頭から飛び出す。


イッタイドウイウコトデスカ――……



――――……



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