上司と上手につきあう方法【完結】
ラブじゃなくていい。ライクでいい。
それでもいいから、改めて好きって言って欲しい……。
「――美琴」
ややして。部長はポカン顔から、驚愕に表情を変え、眉根をきつく寄せた。
「はいっ……」
「お前って、ボケてるな」
「は……えええええ!?」
「ビックリした……」
部長は険しい表情のまま、ご自分の顎のあたりに指を這わせる。
ぼ、ボケてる!?
ビックリした!?
私がボケてるなんて、部長に言われたくないよ!
ビックリしてるのは間違いなく私のほうだよ!
けれど部長は妙にしみじみと「なるほど、天然なんだな」と、訳の分からないことを言いながら、彼の胸元をしっかりとつかんでいる手を解くと、しゃがみ込み、私のひざ裏に手を入れ、ひょいっと抱き上げてしまった。