上司と上手につきあう方法【完結】

部長の手が、私の後頭部に周り、髪を軽くまとめて、上へと流す。

それから両手で私の頬を包み込むように挟むと、そっと顔を近づけて唇にキス。


まるで大事な宝物にキスするみたいなこの一連の流れに、心臓がドキドキと鼓動を打ち、苦しくなる。



「あ、あの……」

「お前が好きだ」



熱っぽい眼差しで、部長は私を見据える。

その瞳は疑いようもなく、私を包み込む、私一人だけにむけられた、熱だった。



「――さっきはお前の天然ボケを笑ったが、元はといえば俺が悪かった……その、ちゃんと伝わってるものだと、思い込んでいた」



部長の言葉に、頭が真っ白になる。


今、なんて……好きって、言った……?



< 328 / 361 >

この作品をシェア

pagetop