上司と上手につきあう方法【完結】
部長の手が、私の後頭部に周り、髪を軽くまとめて、上へと流す。
それから両手で私の頬を包み込むように挟むと、そっと顔を近づけて唇にキス。
まるで大事な宝物にキスするみたいなこの一連の流れに、心臓がドキドキと鼓動を打ち、苦しくなる。
「あ、あの……」
「お前が好きだ」
熱っぽい眼差しで、部長は私を見据える。
その瞳は疑いようもなく、私を包み込む、私一人だけにむけられた、熱だった。
「――さっきはお前の天然ボケを笑ったが、元はといえば俺が悪かった……その、ちゃんと伝わってるものだと、思い込んでいた」
部長の言葉に、頭が真っ白になる。
今、なんて……好きって、言った……?