上司と上手につきあう方法【完結】

ダブルベリーを辞めた後、ササグさんの夢を聞いた叔父さまと叔母様が「うちで働いてくれると助かる」と、誘ってくださったんだ。

叔父様と叔母様も、独立して家を出ているというイトコ(学校の先生で、シェフになるつもりは1ミリもないらしい)も、喜んでくれてるんだって。


だから叔父様のレストランが開いているときは深夜まで帰ってこないんだけど、休みの日は必ず、こうやって車で迎えに来てくれる。

休んでいていいんだよって言うのに「早く会いたいから」って笑われると、胸がキュンキュンする。



「ただいまー」



靴を脱いで玄関を上がる。



「おかえり。そしてお疲れ様」



ササグさんは穏やかに笑って、背後から私の着ていたスーツを脱がせ、ハンガーに掛けてさっさとブラシをかけ始める。



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