上司と上手につきあう方法【完結】

「もしかして、お祝い?」

「当たり前だろう。お前の企画が初めて商品化したんだからな」



当然、というふうにうなずくササグさんに、私は「きゃーっ」と言いながら飛びついた。

ササグさんはクックッと笑いながら私を抱きとめ、それから向かい合った状態で、私の肩に手のひらを置く。


目を閉じると、私の好きなネロリの香りが漂ってくる。



「いい匂い……」

「ん、そうか。よかった」



二人で住む2LDKのマンションは、ササグさんが居心地良くいつもきれいにしてくれている。


お料理上手はもちろんのこと、お掃除、洗濯、整理整頓が大好き。笑顔が可愛くて、優しくて。ちょっとヤキモチやきだけど、私のことをとても大事に思ってくれる。

しかもマッサージまで上手って……。

もしかして私って、働く女子の誰もが羨む、素敵なお嫁さんを貰ったようなものなのではないだろうか。



< 343 / 361 >

この作品をシェア

pagetop