上司と上手につきあう方法【完結】
「――肩、こってるな。腕もパンパンじゃないか」
「今日一日、無駄な力が入ってたかも……」
そうやって、うっとりするようなマッサージを受けた後は、私の番だ。
「じゃあ、交替ね」
目を開けて、彼を床に座らせ、私も背後に回り、しっかりと力を込めて、ササグさんの肩をもむ。
「――そういえば、叔父さまから聞いたけど、ササグさん、お店のお客様にモテるんだって?」
「は?」
「電話番号渡されるの見たって、叔父さまが」
「ったく面白がって、あの人は……」
ササグさんはため息をつき、それから肩越しに振り返った。
「婚約者がいるのでと、受け取らなかったところまで、見ていたはずだがな」
「へへ……実はそこまで聞きました」
「馬鹿」
「ごめんなさい」
謝って、それから彼を背後から抱きしめる。