上司と上手につきあう方法【完結】

「来てたぞ、これ」



私に抱きつかれたまま、ササグさんは手を伸ばし、ローテーブルの上に置いてあった往復ハガキを手に取る。

後ろから覗き込むと、それは、大学時代私が所属していた、サークルの同窓会のお知らせだった。



「――行かない」



首を横に振ると、

「気にしなくていいんだ」

と、ササグさん。



「懐かしい友達も、いるだろ?」

「行かない」



一瞬、朝陽のことが脳裏に浮かんだけど、私は首を横に振った。

彼はアプリを作り終えた後、会社に戻って、それっきりだ。

風のうわさでは、相変わらずモテモテだって聞いたけど……。



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