上司と上手につきあう方法【完結】
幸せでいてくれたらいいな、って思うだけだ。
「――」
「っていうか、休みの日はササグさんと一緒にいたい」
そう言うと、抱きついたササグさんの背中から、こわばりが取れる。
ホッとして、そのまま彼の背中に頬を押しつけた。
レストランで使うための野菜を畑とビニールハウスで作っているササグさんは、一年前に比べてかなりたくましくなった。
腹筋もきれいに六つに割れてるし、腕もしなやかに、さらに筋肉質になって。例えて言うなら、しなやかで上品な豹みたいになった。
なのに眼鏡で、シェフ見習い。
正直魅力倍増で、女子ホイホイとしか言いようがない。
私にヤキモチを妬く前に、自分のモテっぷりを心配してほしいよ……。
ふうっとため息をつきながら、目を閉じる。