上司と上手につきあう方法【完結】
紗江子あたりなら「つまみ充実してるね!」と言ってくれるんだけどな……。
実際缶詰食べながら飲むお酒っておいしいしさ。
「――なんだ、この貧相な台所に不似合ないいオリーブオイルがあるじゃないか」
しばらく、棚の中を険しい顔をして検分していた部長が、缶詰の壁の奥から未開封のオリーブオイルを発見して、ほんのちょっぴり機嫌がよさそうに微笑んだ。
「あ、それ、お土産でもらったやつです」
部長のおっしゃる通り、すっごくいいやつ、と聞いて、使えずに置いたままにしていたのだ。(貧乏性)
「宝の持ち腐れだな」
部長はそれを手に取って、じっくりとオリーブオイルと私の顔を見比べた。
「確かに……あ、パスタはありますよ、パスタは」
奥からパスタの袋を取り出して、部長に差し出す。