上司と上手につきあう方法【完結】
「部長! 飲み物がないんで、私、買ってきますね」
何か手伝いたかったけど、私が手を出したところで邪魔になるだけというのは最初からわかっていた。
せめて部長のお飲み物くらい買って用意しておかないと。
「え、いや……それは」
おそらく女性の部屋に一人きりになることに抵抗があるのだろう。
(マジメな部長だし。)
だけど私は、彼をここに連れてくると決めてから、100%彼を信じると決めたのだ。
(それは私の勝手で一方的な誓いのようなものなのだけれど)
「私の部屋、お酒しかないですよ? ぶっちゃけ水道水はおいしくないですし」
「――頼む。水でいい」
「了解です」
呆れた部長にびしっと敬礼をして、私は部屋を飛び出し、近くのコンビニへと走っていた。