上司と上手につきあう方法【完結】
小さなダイニングテーブルの上には、パスタと生春巻き風サラダと、ビールとミネラルウォーター。
そして向かい合って座る私と部長。
「トマトあまーい! でもピリッと辛ーい! おいしーい!」
そう、パスタはあれだけの材料でどうしてこんなにおいしいの?と、部長の胸ぐらをつかんでゆさゆさしたいくらい美味しかった。
大根の生春巻き風サラダも、さっぱりしていて、部長の分も食べつくす勢いだった。
「部長お料理お得意なんですね。すごいです」
「――そうか?」
「そうですよっ! 手際がすごくいいし、作りながらどんどん片づけちゃうし、これは才能の域ですよ!」
熱烈にうなずくと、テーブルの向こうの部長がほんの少しだけ……そう、ほんの少しだけ表情を緩めた。
「ソースは大目に作っておいたから」
「一人でも部長の味が楽しめるわけですね!」
「お前……」