上司と上手につきあう方法【完結】
「だけど、すごく楽しかったです」
そう。私は楽しかったけど……。
(おいしいごはんまで食べさせてもらったし)
部長はどうなんだろうか。
気になったけど、それを素直に尋ねることは出来なくて(だって楽しいとは思えないし)、コーヒーを淹れた私は、部長の顔を見ないまま、それをテーブルの上に持って行く。
「ぶっちゃけ、いくらフラれて落ち込んでいたとは言え、部長が私に付き合う義理なんかないじゃないですか」
おまけにちょっと自虐に走ったりなんかして。
私って本当に、素直じゃないな……。
「おい、フラれたって言うな」
お皿を洗い終えた部長が、眉のあたりをピクピクさせながら私の斜め前に腰を下ろす。
「あれ、フラれてないんですか?」