上司と上手につきあう方法【完結】
「あれ、今日は定時で帰るんだ?」
「うん。ちょっと本屋行きたくて。また明日」
「お疲れー」
もう少し残るという紗江子に手を振り、オフィスを出る私。その足ですぐ近くの書店へと向かった。
企画もなかなか通らないし、スキルアップのための勉強をしようかと思い立ったのだ。
「えっと……」
資格やビジネス書のあたりをウロウロして、ぱらぱらと中身をチェックした後、気になったものを買うことにした。
何をしたらいいかわからないって言ったら恥ずかしいけど、とりあえずざっと目を通して、自分の方向性を考えてみるつもりだった。
「よっと……」
背の高い本棚の上段に、うーんと手を伸ばす。
手が届きそうで、届かない。
だけどもう少しで届きそうな気がする!