片恋

突き放すような口調に、
ザーッと血の気が引いて眩暈がするのをこらえながら、

言われた言葉の意味がわからず彼を見上げて、
予想外に冷めた表情に、ギクッとする。

突然立ち止まって振り向いた遼平君と目が合って、

瞬間、恐怖に近い緊張が背筋を走った。

射抜くような視線が、まっすぐ私に、向けられている。


どさっと荷物を放り出すような音に
ビクッとして立ち竦むと、

繋いだ手を、引くように強く掴まれ、

きつく口付けられた。

うわ向いたまま驚いて身を引こうとして、
首の後ろに添えられた手のひらの威圧感に、

私は、逆らえずに身動きがとれなくなる。


「―――りょ、う・・・」


りょうへいくん、と呼ぼうとして、

軽く唇を噛まれて肩が震えた。



頭の中が、真っ白になる。



息がつけずに苦しくて、外灯の下、

繋いだ手にしがみつくようにして立っていた。


握り締めた手が痛くて白くなった頃、

ゆっくりと遼平君が唇を離した。


それからかがみこんで
私の顔をのぞきこみ、


いつもの人好きのする顔で、

じっとなにかを待っている。


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