片恋
7章



―――最初に気がついたのは、

彼からは手を繋いでくれなくなったこと、だった。



私はいつも、
当たり前のように
手を伸ばしていたので気づかなかったけれど、

思い返してみれば、もうずっと、そうだった。

「彼女になった」あの時から。


気づいたら、怖くて手を伸ばせなくなった。




< 119 / 185 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop