片恋
8章


件名:映画のこと。。

前に約束してた映画が、今週
終わっちゃうみたいなの!!

今度こそ今度こそ、
観に行きませんか?

こんどの土曜日とか
どうでしょう?

ちなみに私は、
いつでも
ダイジョブです♪

・・・

観るのを先延ばしにし続けていた映画の公開が、終わりに近づいていた。


あれから私は、何だかんだ理由をつけては
別のデートを提案したり、
別の予定を作ってデートの約束を早めたり、

それによってメールのやり取りを増やしたり、
遼平君に会う回数を増やしたりしていた。


遼平君ちに遊びに行っては、
なにかしら忘れ物をして帰ってくるとか。
それを理由に遊びに行くとか。
そしてまた忘れ物をするとか。

古典的過ぎてみえみえの策略に、

だけど遼平君は何も言わなかった。


彼に予定がなければ、どんな変更でも「構わない」
予定がある時は、無理だと断る。

全く変わらないスタンスで、
温度で、
接してくれるのに私は、

駆り立てられるような不安を、
抑えることができなかった。

かえってその温度差が、
余計に歯がゆく感じられた。


こんなワガママも許してくれるなんて!と安心したり、

とっくに呆れられてうんざりされてるのかも!と怖くなったりした。



そうしてそんなことばかりを繰り返して、

自分を止める事ができなくなっていた。


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