片恋

「なんだ、亮介か。」

「また来てんのかよ。」

私の言葉とほぼ同時に、
亮介が眉をしかめて呟く。

お互いわざとらしく、顔をそむけた。

毎日のやりとりながら、
不穏な空気が流れる。

シュウ君は、そんな空気など
全く意に介さず、

むしろ壊すようにして
無邪気に亮介に駆け寄った。

「おかえり、すけにい。」

シュウ君の笑顔に、
亮介の口元がほころぶ。

「なに遊んでんだ、
 シュウ。」

「神経衰弱。」

「ふたりで!?
 果てがねえな。」

シュウ君相手だと、
少しおどけて大げさな仕草をする亮介は

軽く肩をすくめて、
目を回した。


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