片恋
・・・意外だった。
とても意外だった。
遼平君ならもっとスマートに、
たとえどんなに嫌いな相手でも、
それを悟らせる事さえせずに
遠ざけてしまうのだと思っていた。
もしも私が遼平君に
こんな風に嫌われたら、
感情をぶつけられたら、
きっと受け止める事はできない。
ああ、なに勝手な事を考えてるんだろう。
感情をぶつけるも何も
彼はとても穏やかで、
今も凪いだままなのに。
その証拠に、ほら。
恐る恐る私が顔をあげると、
遼平君は気づいてニコッと笑う。