片恋




・・・意外だった。

とても意外だった。


遼平君ならもっとスマートに、

たとえどんなに嫌いな相手でも、
それを悟らせる事さえせずに
遠ざけてしまうのだと思っていた。

もしも私が遼平君に


こんな風に嫌われたら、

感情をぶつけられたら、

きっと受け止める事はできない。


ああ、なに勝手な事を考えてるんだろう。



感情をぶつけるも何も

彼はとても穏やかで、



今も凪いだままなのに。



その証拠に、ほら。



恐る恐る私が顔をあげると、

遼平君は気づいてニコッと笑う。


< 41 / 185 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop