片恋
・・・
・・・・・・ほか?
とても真面目に心配されて、
その意味に気づいた私は
真っ赤になってあわてふためいた。
「そんなっ…、平気だって、ば。
やめてよ、そういうの、そういう…」
邪推。
と言いたいのだけれど、
うまく言葉が見つからない。
それでも遼平君には通じたようだ。
「でも、大事なことだよ。
琴子ちゃんは大事な子だから。
何かあったら、亮介に殺されるし。」
最後は冗談めかして笑う。
一気に、現実に引き戻された気がした。
さっきまでは確かに
暗くて冷たいどこか、底
怖いけれど、
ちゃんとどこかと地続きの場所
その入り口に
立っていたのに。
遼平君に続く、どこか。
「・・・だからなんで、亮介がでてくるの。」