片恋


子供の頃から通いなれた道を、
ただ黙々と並んで歩く。

外灯がなければ
ぼんやりとしか判別できない夕闇の中で、

亮介の金髪や、制服の白いシャツが 
どことなく浮かび上がって見える。

黒色のズボンからぶら下がった
いくつものアクセサリが、

がちゃがちゃと
ぶつかりあって、

響いていた。


「・・・お前、毎日来る気?」


亮介がぼそっと口を開いた。



「うん。」

「会えるまで、来る気?」

「うん。」


「あいつ、帰ってこねーよ、
 全然。」

「・・・うん。」



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