片恋

複数の友人とつるんで
一晩中遊び歩いて
家に寄り付かなくなった亮介を探して、

何度となく琴子と
繁華街を歩いてみたものの、

亮介の姿を見つけることはできないでいた。

すでに探し始めてから二週間以上が経ち、
それでもいくら言い聞かせた所で、
琴子は出歩くのをやめようとはしなかった。


焦燥の入り混じった必死さは、

自分を責めているようにさえ見える。


翌日も一緒に探す事を約束して
家まで送ってやらなければ、

一人で
何時まででも、探して歩く。


「亮介、遼平君には何か言ってなかった?」


すがるように見上げてくる目には、
疲労が滲んでいる。

ここの所ずっと、顔色も悪い。


「うん、ごめん。」


実際、家に帰ったところで
そこにいない亮介と話はできない。

ただ本音を言えば、

今更見つけたところで
どうにかなるものでもないと思った。


亮介が琴子を避けてるのは、

琴子とは関係のない
自分自身の問題だし、

それさえ折り合いがつけば、
自分から琴子の所に戻ってくるだろう。

だから何も、気に病む事はないのだ。


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