片恋




「もしもし、遼平君ですか?」

『うん。』


携帯どうしでも毎回確認する私に、

電話の向こうで彼がクスクスと笑う。


「琴子ですけど、今日そっちに寄ってもいい?」

『うん、何時頃になりそう?』

「今日は5限までだから、
4時半過ぎには着けるかも。」

『わかった。この前言ってたケーキ、
買っておくよ。』

「ほんと!?やったー!!」


じゃあ、あとでね。と電話を切って

進歩したなあとしみじみ思う。


こんな風にあまあま(?)ですから?

このままいけば
そのうち「彼女らしく」
なれちゃうんじゃないですか?そのうち。

あ。

その前に
恋人達御用達の
メインイベントがあるじゃないか。

・・・クリスマス・・・
って、近っ・・・!!
すぐだよ、すぐ!!


無理!!

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