天使みたいな死神に、恋をした
毎度のことながら首を掴まれた子猫のように手足はぷらりんとした格好になって私はアンジュラに腰をガッチリと支えられながらルーインのところへ向かっている。
そうだ、ようやく思い出した。
まずは綠さんに会って話をしなければならないんだ。
この前は話の途中でこの二人に引き裂かれた形となっかたら、今度はそういうわけにはいかない。捕まえて話を聞き出さないとならない。
ルーインが緑さんを捕まえられたのかどうかだって教えられていない。ただ確実に言えるのは、私も緑さんもここからどこにも移動できないってことだけは変わらないはずだ。
時間だって無いし、そう! 病院にだって行かなければならない。病院には彼氏が待っている。それに、包帯でぐるんぐるんに巻かれている私の体も待っている。
首を上げて周りを確認した。
不思議なことに、アンジュラ宅を離れるにつれて意識は戻ってくるようになる。
記憶が無くなるのはアンジュラの家のせいなのか、それとも……