天使みたいな死神に、恋をした
一人残された私は、どんなところに行くんだろうと思考を巡らせてみるものの、ここは地獄の手前だ。
ルーインサイドの白くて綺麗で気持ちの良くなるあんな明るい場所じゃぁ、無い。
ということは、必然的に暗い場所に観光することになるのか?
どろどろに沸騰した血の泉とか?
苦しみの川で流される亡霊(みたいなもの)をロマンチックに眺めるとか?
はたまた木にぶっささって木のエサにされて苦しみにもがく人の姿を見ながら愛を語るとか。
そんなの頼まれても見たく無い!
いや、待て、なんで私さっきからロマンチックとか愛を語るとか言ってんだろう。何勝手にデートモードで話を進めているんだろう。観光だ。ただの地獄観光。こんな観光お金払ったってできるものじゃない。そうでしょ。
頭を振り、
相手は死神じゃん。これからどうなるとかそんなことあり得ないのに。
何考えてんだ私は。何がそうさせてる。おかしなことだ。でも頭の中にはあの不気味な白い骨ばった顔ばかりが浮かぶ。
アンジュラの言ってることを頭のどこかでまにうけてる。
甘い言葉に踊らされてる。