天使みたいな死神に、恋をした
「だからってなんでルーインが一緒にいるんだろうね?」
嫌みたらたらに言う私にルーインは、「なんでってここは俺の場所なんだからいて当たり前だろ。俺に言わせてみりゃなんでいつまでもおまえがここにいるんだって話だよ」
この厭味ったらしい天使は偉そうにふんぞり返って言い放った。
アンジュラに連れて来られた場所はなんとルーインの管轄だった。
アンジュラ曰く、こっちにいてもあまり快くなるものはありませんから、どうせなら清々し気持ちになる方がいいんじゃないでしょうか。体に戻ったら何も覚えていないとはいえ暗くなるよりは明るくなって頂いた方がいいいかと。
という、死神らしからぬ配慮からだった。
とはいえ、確かに黒い世界ばっかり見せられてもそれはそれで気が滅入りそうだし、見てもあまり面白くもないものばかりだろうと想像がつく。
さっきの家にやってきた黒こげのドロドロといい、見たくないものが盛りだくさんだと思う。
だから、これで逆に良かったのかもしれない。