天使みたいな死神に、恋をした
一度引き返してどうなっているのか考えましょうという腰の低い死神と、横暴な天使に両腕を引っ張られるようにしてココへ戻って来た。
サークルの仲間達に会った(私だけ忘れられてたけど)真っ白い世界。またここへ戻ってくるとは思わなかった。あのまま私は死神家に行くものだとばかり思っていた。
ルーインの管轄はいつ見ても過ごしやすそうで心が洗われる。
なんで私が身体に吸い込まれなかったのかを今回は深ーく考えるために、一度腰を落ち着けることになったわけだ。まったく最初からそうしてくれたらいいものを。帰れる確率0パーセントとか言ってたんだから。
「さて、やはりこれは何かがおかしいですねえ」
『今日は雨ですねぇ』とでも言うような気の抜けた声でアンジュラが言う。
なんでこんなに落ち着き払ってるんだろうか。
私は一刻も早く帰りたくてそわそわしている。そして亮に会いたいし、みんなにも会いたい。だからこそこっちでのんびりする時間はいらないと今では思ってきた。
会いたい人に会えると、人って変わるものなんだな。