フレンズ
カズはなんにも言わない。
「ね、どう思うって聞いてるのに」
相変わらず、なんにも言わないカズにいらついた私は
「ね、じゃ、襲う?」
挑発するように、ベッドから起き上がってカズの
ふとんにもぐりこんだ。
「・・・・」
「ね、カズなんとか言ってよ」
カズはなんにも言わない。
真っ暗な部屋の中で、目がだんだん慣れてきた。
でも、カズの顔は、相変わらず見えない。
ぼんやり、わかるだけ。
こうして、横に寝ていていもカズはなにもしない。
そういえば…
「ね、私たち、そういえば、手もつないだことないよね」