片思い…そして。【短】
「でも…」
健人くんが、何か言おうとしたけど
「ごめん、あたし用事あるんだ。じゃぁ、桃花のこと幸せにしてあげてね?泣かせたら許さないんだから。じゃぁね」
「あ、おい!!」
健人くんに呼ばれたけど、あたしは目も合わさずに逃げるように去った。
走って走って路地を曲がったところで、健人くんが追ってこないことを確認し…泣いた。
もう胸が苦しくて苦しくて、どうしようもなかった。
泣いても泣いても、どんどん溢れてくる涙。
そんな時…。
「……陽菜」
突然、名前を呼ばれ顔を上げた。