気まぐれあの子は猫系女子っ!!【完結】



 だけどその想いを伝えられないでいる。

 だって私は、彼との間に大きな壁をつくってしまっているのだから………


 だから………

 私は臆病な生き物だ。

 本当は伝えたくて堪らないのに、すべてを受け入れてもらえるか、拒絶されないか恐くて壁を壊すことも乗り越えることもできなくなってしまったんだ。


「もう、着いたな!じゃあまた明日っ」

 いつの間にか部屋の目の前に着いた。

 彼は最近部屋の前まで送ってくれていて、今日も送ってくれた。


 送ってくれるのは嬉しい。

 嬉しいのだけど、帰ってしまうのがどうしようもなく寂しいんだ。

 わがままなのはよくわかっている。

 だけど、シフォンと二人きりだと、どんなにシフォンがとなりに居てくれたって寂しいんだ。

 今日の私はいつも以上に寂しくなってしまっているから、わがままで甘えちゃうんだ。

 背を向け、帰っていく彼の制服の袖を少し握って、

「今日は家に寄っていって………」

 おねだりをする。



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