海の終わり、空のはじまり。
中高一貫、女子だけの乙女の園。
女子だらけといえ別にそう普通の学校と何ら変わりない。
だから特に高校生になった感慨もなく、こうして先生お手製の自己紹介カードを毎年のように書いているわけだ。
「ねえ、私の長所って何だろう?」
「明るいとかでいいんじゃない?」
「無難だな、そのみは何て書いたのさ。」
「可愛すぎるって書いたお!」
「Oh…」
「普通に人見知りしないって書いた。」
「普通だね。」
そんな会話をしながらふと窓の外に目をやると、桜が咲き誇っていた。
この学校の近くには池がある。とは言ってもそこそこ都会に位置しているので貯水のための人工池だ。