氷結境界少女Ⅰ
『お困りのようね?』
りんとした、涼やかな声。
少女はゆっくり宙を見る。
そこには居た。
少女に手を伸ばす者が。
神に許されし者が。
長い水色の透き通る髪。
差し伸べられた手は、驚くほどに美しい。
『……たす……けてく…ださ……い』
声はかすれかすれでうまく聞こえない。
でも、その者には聞こえたようだ。
『いいよ。助けてあげる。その代わり………』
そのものは言った。
ゆっくりと、それが当然であるかのように。