黄昏に香る音色
里美からだった。

「明日香…」

少し声のトーンが、おかしい。

「どうしたの?」

心配気に、明日香がきいた。

ゆっくりと、里美は話しだした。

今日…高橋といっしょに帰り、カフェでお茶したことを。

「よかったじゃない!」

「うん…」

あまり、うれしそうじゃない里美。

しばらく…間があった。

里美の息遣いだけが、聞こえる。

明日香はただ、それを黙って聞いていた。



「明日香…」

蚊の鳴くような声で、

里美は、話し出した。


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