黄昏に香る音色
指導員と別れ、

優一は、廊下を曲がった。

いきなり、誰かとぶつかった。

明日香だった。

「大丈夫!」

優一は慌てて、手を差し伸べた。

「大丈夫です」

尻餅をついた明日香は、自分の力で、立ち上がろうと、顔を上げた。

優一と、目が合う。

吸い込まれそうな瞳。

とても淡い瞳。

それは、

明日香の知っている瞳と、同じだった。

まるで…

あの人のよう。






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