黄昏に香る音色
それから、数日…挨拶はするが、

それ以上はない生活が、続く。

電車に乗ると、必ずゆうがいて、挨拶して…真っ赤になりながら、無言の時を過ごす。

話したくないわけではなく、人目もあるし、

何となく恥ずかしかった。

駅に着いても、一緒に登校するはずもなかった。


幸せだけど、これ以上に踏み込む勇気がなかった。

些細なことに幸せを感じるから、

これ以上を望むのは、怖いし、

壊したくもなかった。



そんなある日。


渡り廊下に先客がいた。

三人の見知らぬ女。


いや、1人は知っていた。

同じクラスの谷沢だ。

三人は、あたしを睨んでいた。特に、谷沢の視線が、痛い。

その中の1人が、腕を組ながら、あたしに近づいてきた。


この瞬間、あたしの運命は大きく変わってしまう。

女は睨みながら、あたしに言った。

「あんたね…。牧村くんのストーカーは」


ストーカー。

麻美は、冗談で使っていたが、

その女は、嫌悪感が顔や、言葉に出ていた。

「あんた…。迷惑なんだよ!」
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