黄昏に香る音色
「この部は今、存続の危機に瀕している」

滝川の言葉の続きを、

浅倉が続ける。

「部員が少なく、あまり活躍もしていないことと…逆に、ブラスバンド部が活躍し、賞を取った為に…。軽音部は、ブラスバンドに吸収…合併の話が、でているのです」

「そこで我々は、学校側と交渉したのだ。1ヶ月半後、我が校は姉妹校三校と、音楽祭を開催する。そこで一番注目を浴びたら、存続できる!」

滝川と浅倉は、明日香の腕を取り、

「その為に、あなたが必要なのだ!香月さん!よろしくお願いします」

明日香は、たじろぐ。

「浅倉副部長」

滝川の言葉に、

浅倉は、黒板に紙を貼った。

紙には、

ボーカル&トランペット 香月明日香。ベース 藤井亜紀。ギター 浅倉瞳。キーボード 近藤由里。ドラム 上原裕子。

「軽音部が誇る!女性陣で、スペシャルユニットを、組んでもらいます」

「その名も!」


「部長!まだ、名前は決まっていません」

肩透かし。

咳払いの後、滝川は、

「とにかく…これで、勝ちにいきます。よろしく香月さん」



いきなりの展開に、

戸惑い…言葉を失う明日香。
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